太陽とツンデレ - ポエツ | poets

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舞台演劇の演出については、大学の学生演劇を通じて、なにか解ってきたようなころに決別してしまったので、そこから更に深みがあるのかもしれない。
学生とか素人が役者を始めたり、脚本を書きはじめた時にまず冒されるのは「リアル」と「シリアス」である。もし若い人でこのふたつに拘泥することなく演劇に取り組める人がいたら、作り手としては有望かもしれない。この稿では「シリアス」について触れたい。

演技も脚本もそうなのだけど、演劇を作る側に立ったとき、大半の人が持っている思いは「観る人に感動を与えたい」=「泣かせたい」である。感動、が涙と直結してるのか、と言うのはまた別問題としてあるわけだが。
ちょっと余談になるが、わりとベタに悲劇を演じて、お涙を誘うことはできなくはない。私には意外だったのだけど、泣きに来るような観客、すなおな観客は存在するので、構成さえしっかりしていれば、それほど「イタイ」舞台にもせずに泣かせる芝居は作れそうだ。以前、手伝いに行った劇団がそうだった。

そういえば当時、「劇団制度の意義」みたいなイシューがあって、「いや、これからはユニットの時代だ」、「プロデュース演劇だ」とワケワカランこと言う人が多かった。それが一過性の流行だったのか、永遠の論題なのか、ここ数年の動向に疎いのでわからない。ただ、今さらになって気づいたのは「劇団制」っていうのは、むしろ観客のためのシステムだったのだなと。「ここに来れば、こういう芝居が観れる」という安心保証。そんなふうに劇団と観客の保証関係ができていれば、笑かせも泣かせも難しくはない。そういう場合は、もう演出術は関係なくなっちゃってるので、今回の話の埒外とする。

物語の筋書きや演技を、いわゆるシリアス(真剣、深刻)なものにすると、「イタイ」ものになることが多い。舞台演劇は生身の人間が演じているので、スクリーン一枚挟んだ向こうに描写される映画の世界とはまったく違う。照明や音響効果の力を借りても、ある種のナマ臭さを消すことはできない。
技術のあるプロの役者、プロの演出家ならともかくも、素人に限ってシリアスな演出・演技を好む傾向にある。

ところが、それよりもずっと簡単で、素人でもいくらか形にできて、かつ観客を感動させる方法はある。

笑わせること。
ある有名な演出家が言っていたけど、悲しみ、怒り、恐怖と言った感情は表出しずらい(一定以上にならないと泣き叫んだりはしない)のに較べ、笑いというのは「クスッ」という反応をきっかけに、観客席中にたちまち連鎖する。笑いというのは反応として、とてもわかりやすい。そして伝播・増幅しやすい。
観客アンケートを回収したときに「とてもおもしろかったんだけど、周りが誰も笑ってなかったので必死で笑いをこらえちゃいました」という内容が、”何枚も”あった時などは、本当に惜しい! と思う。誰かが口火を切って笑い出していたら、客席が相当盛り上がったのにと。

ちょっと待て。「シリアス」な演出、といいながら、どうして笑わせる話になっているのか?
まず、笑いというのは観客から比較的簡単に引き出せる感情であること。それから人をリラックスさせ、あらゆる感情の弁を緩める効果があるのだ。映画でも小説でも、そして異性を口説く時でも、巧みな話者はよく笑わせる。笑わせて、笑わせて、笑わせて、ふっと気が緩んでいるスキをついて感動的なシークェンスを滑り込ませてくる。あらゆる弁が弛緩した状態ではそれに抗う術はない。
「ベ、別に、感動してるわけじゃないんだからね!」と言ってみたところで時すでに遅し。もはや演出家の術中にあるのだ。ちょうど「太陽と北風」、泣かせようと思うなら、まず笑わせるのが近道。


『女神たちの伝説』は出産時の珍騒動を集めた、2ちゃんねるのまとめサイト。どれもお腹が痛くなるほど笑えるエピソードばかりだが、油断して笑ってばかりいると、時々挟み込まれている感動的な場面にうっかり足元を掬われ、気づいたら涙が溢れて止まらなかったり。

そして出産とは正反対にある、死を扱ったこちらのサイト「特殊清掃『戦う男たち』」
酸鼻をきわめるグロテスクな死の現場にも関わらず、逆に筆者の軽妙な語り口によって、不謹慎と思いつつもつい吹き出してしまう。葬儀などの厳粛な場面では、ちょっとしたことが却って可笑しかったりする、あれに通じるものがあるかもしれない。

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