不法就労者だった! - ポエツ | poets

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台湾での外国籍者の居留管理は比較的厳しい。
私は2年間弱を学生ビザで過ごしたが、そもそも最初は学生ビザが出ない。仮入国のビザを取得し、これは約2ヶ月で切れるので、そこで学生ビザを申請する。学生ビザは学費を払った期間しか支給されないし、ビザの延長には一定の成績と出席日数が必要なので、仮面学生でずっと観光するとか、働くのはちょっと難しい。もちろん、もう延長しないと見切りをつければ、取得した1学期分の居留資格で遊び回ってもよし。だから語学学校の学生は、だいたい帰国前の学期はここぞとばかりに登校しなくなる。

学生ビザを取得しても、半年以上の滞在には外国人居留証に切り換えなければならない。取得のためには、台湾国内の銀行口座を開設し、5万~10万NT$(新台幣)の残高があること、中華民国の国民IDを持った人が保証人になること(これは意外と誰でも貸してくれる)…等々。
ちょっと話は逸れるけど、諸外国に渡航の際、飛行機の中で入国審査用紙が配られるが、そこにパスポートナンバーとIDの記入欄がある。私たち日本人はIDの欄を記入しないんだけど、これがなんとも心許ない。たぶん世界では国民にIDを発布している国の方が多いのだと思う。台湾で携帯電話を購入するとき、パスポートナンバーと国民IDを提示するように言われた。「日本人には国民番号も国民証もない」と言ったら、あきれられた。日本だと国民総背番号制などと言って、お上に番号を振られるのがイヤだ、なんて論調が多いわけだが、猫だって首輪をつけて歩いてれば「どこかの飼い猫なのね」と思ってもらえるが、なにも付けてなければノラネコ扱いされたってしかたがない。

それはともかく、銀行は台湾国外のでもいいのだけど、その場合は日本円で100万以上の残高が必要になる…らしい。らしいと言うのは、私は台北駐日経済文化代表處(@目黒:いわゆる領事館だけど、国交が無いのでこういうワケワカラン名称になってる)に、何度も問い合わせたけどあいまいな回答しかもらえなかった。後で聞いたところでは、一応ガイドラインはあるけど、ケースに応じてかなりさじ加減するので、「コレとコレの要件を満たせばよい」と公式に明言するのは避けているとか。
台湾の銀行口座を開いたとして、5万NT$からの残高が必要になるので、とりあえず知人から借りて一時的に口座に入れておく手もあるが、実はこれもダメなときがある。
クラスメイトの日本人が居留証申請の1週間ほど前に、台湾人の友人に借りて残高を増やしていたのだが、窓口で「申請の直前に残高が増えているのは、申請の時に一時的に借りてるだけなので、資産証明にならん」とハネられてしまった。

こんな厳しいんじゃ、インドネシアあたりから半ば出稼ぎに来てる華僑学生やベトナム人あたりは、どうやって滞在許可を得ているのかと不思議になる。たぶん、あのへんは独自のネットワークがあるので、先に台湾に渡って来てレストランを構えたような親方が後見してるのかしらん。
もうひとつ不思議なのは、日本人がノービザで滞在できるのは30日なのに、インドネシア人は最大60日らしい。ウソかホントかは知らんが、実際クラスメイトだったインドネシア人は途中で学生ビザを放棄し、働いて2ヶ月おきに帰国・再入国するようになった。

学生ビザの延長に必要な出席日数は、学校によって規定が違って、私が通った大甘な学校で1学期(11週間)に11日までの欠席が認められている。師範大学だともっと厳しく、台湾大学はさらに厳しい。
それで11日以内ならセーフかと思うだろうが、ある学期に私は9日も欠席したことがあって、西門町の警察署に延長申請に行くと係官が出席証明・成績表を隅々まで見ながら難しい顔をする。
「なんでこんなに休んでるの?」
一応、規定以内の欠席数だからいいじゃないの。だいたいお役所なんだから、日数だけ機械的に数えてパスさせてよ、と思う。だけど係官は流れ作業にせず、ひとりひとり相手を見て諭す。
「あなたは学生で来てるんだから、次からはこんなに休んじゃだめだよ」

ある生徒は毎学期欠席が多かったので、「これからは月に一度出頭して、学業状況を申告すること」と言う特別措置をくらったらしい。とてもお役所とは思えない手厚い指導だ。学生で入国したのだから、遊んだり働いてはダメ。これはもう当然のことだが、それをなし崩しにしない台湾行政はすごい。

もちろん不法就労者を野放しにしては、治安や行政が乱れるからというのもあるだろう。地勢的に華僑が流入しやすいし、人口比50倍以上の対岸から、人が押し寄せてきたらあっという間に国が崩壊する。台湾では、企業資本の一定比率以上が大陸だと事業を認可しない。いまの中国の経済成長をみれば、気がついたら国内企業のほとんどが大陸資本だったなんてことになりかねない。
そもそも戒厳令が解除されたのが、まだ20年ほど前の国である。

台湾と言うとにぎやかな夜市を連想するが、夜市の露店も規制が厳しい。店舗を持たない擺地攤(擺地は”地面にならべる”の意味)は税金を納めないし、ヤクザや不法就労の温床になるから警察も頻繁に取り締まる。ドラマでも、主人公がTシャツやアクセサリを路上販売していて、「警察が来た!」と逃げ回る場面がしばしば出て来る。「ことのは」の松永さんが好きなS.H.E 主演のドラマ『真命天女』も、病気の弟の入院費を路上販売で稼ぐ ELLA を、婦警のHEBE が取り締まるところから始まる。

私は朝、学校へ通い、昼からは日本語教材の出版社で働いていたが、就労ビザなんてない。そう、不法就労者だった!
滞在資格には他に、配偶者ビザ、教員ビザなどがあり、数年前からようやく配偶者ビザでの就労が認可された。ただし2年ごとに更新が必要らしい。
就労ビザの取得も考えはしたが、申請のためには、これまで日本で働いたすべて企業から勤務証明を発行してもらい(以下略…)くらい例によって煩わしい。日本で数年の職歴がないとさらにビザ取得は難しい。
教員ビザでは日本語教師以外の仕事に就いてはならない。あるとき私は急用で会社を休ませてもらい、翌日出勤すると同僚が一人忽然と消えている!
ボスが私を呼び寄せて小声で言う。
「君、昨日は休んで運がよかったよ。突然警察が来てね、彼は教員ビザだったから強制送還。君は学生ビザだから、危なかったよ」
日本語教師の仕事と日本語教材の編集は似たようなもんじゃないかと思うが、もちろんそんなのは認められない。

こんなふうに、外国人の滞留に関してはいろいろ厳しいのだが、語学学校のクラスメイトだったタイ人は台湾人と結婚し、中華民国の国籍を取得した。そうすると、今度は政府が学校へ通わせてくれて、中国語をはじめとする教育を援助してくれるらしい。国民になった以上、語学をはじめとする必要な教育だけは面倒見ようというのだろう。
日本政府も日本国民にIDを発行して、しっかり保護と管理の両方を行なってくれたらいいのだが。

前置きの方が長くなってしまったけど、以前の記事(「『日本』や『日本人』は日本民族だけのものじゃない」)で私が言いたかったのは、アミネ・カリルさんに日本国籍を与えてやれ、ではない。
誰を入れ、誰を入れないのかを、政府はちゃんと管理すべきだと言うこと。不法就労を放置しておいたり、なしくずしに国籍を与えたりすべきではない。件の報道では「日本で長いこと働いてたのに、在留許可をもらえないアミネさん、おかわいそうに。大臣は冷酷だ」というセンチメンタリズムに傾斜していたが、そういう報道メンタルもおかしい。
そんなに長い期間、不法滞在を放置していたのは、当局の怠慢、管理不行き届きだ。そんなふうに入国した側も、された側も幸福にはならない。私は口うるさく指導してくれた台湾の当局には感謝している。でなきゃダラけてろくに学校に通わなくなっていたかもしれない。

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追記

学生ビザでも工作證を申請すれば簡単にアルバイトは許可されるので、
よい子は不法就労はしないように!
ただし工作證は勤務時間に制限があって、所得税もちょっと取られます。

ちょっと古いソースによると、強制退去くらっても、罰金はそんなに高くないみたいですが、
前科がつくので、次から台湾に入国できなくなる怖れがあります。

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